昆布の香りがしない昆布盛駅

◆昆布の香りがしない昆布盛駅

根室本線の終着、根室まであと５駅となった。落石駅の次は、秘境駅でお馴染みの昆布盛駅だ。海岸沿いを走る道道を少し行くと海が見える開けたところに出た。そこには大きな風力発電機が誇らしげに建っていた。太平洋に翼を向け、海からの風を受け止め大きな翼が、勢いよく回転している。なんて壮大な景色なんだろう。しばらく、風力発電機の景色を堪能したあと、昆布盛駅に向け再出発した。風力発電機を通りすぎ、しばらく行くと昆布盛駅が道道沿いに見えた。駅の横の道路を行くと昆布盛の漁協に行く。ここは、北海道産の良質昆布の取れるところで知られているが、駅は昆布ではなく、秘境駅として知られている。集落と漁協は駅横の道路をかなり行かないとたどり着けないので、駅周辺は何もない森の中の無人地帯のようだ。昆布盛とはアイヌ語で｢昆布が取れる湾」という意味で、文字通りの地名となっている。待合室は、小さな簡素なもので情緒も無いにも無いのが残念だ。ホームは１面１線の棒線駅で、列車交換はできない。時折、昆布を運ぶと思われる漁協の車が駅隣の踏切を行き来するが、それ以外はほとんど無さそうな寂しい駅のようだった。