尺別駅(根室本線)

◆石炭と共に消えた町 尺別駅

古瀬駅を出て尺別駅にやってきた。駅周辺には民家が数軒見えるだけだ。車を降りると波の音が聞こえてくるが駅からは海は見えないようだ。尺別駅には悲しい過去がある。この駅は1970年までは石炭を運ぶ雄別炭鉱尺別線が乗り入れていて、賑わいを見せていた駅だが、石炭産業の衰退で、人は去り、町全体がゴーストタウンとなってしまったのである。全盛期の頃は、数千人居た人口は、現在数人となっていて、駅周辺には民家は数軒しか見受けられず、駅周辺は原野に戻ったまさに栄枯盛衰そのものの駅周辺の姿だ。海が近く、波と風の音だけが交錯し不気味な音が木霊する秘境駅の一つとして知られている。2000年に起きた脱線事故はまだ記憶に新しい。ホームに行ってみる。雪切室のある雪国特有の駅舎をでると、2面2線の相対式ホームがある。対面するホーム側に雄別炭鉱線があったと思われる広い敷地跡があり、その昔が偲ばれる。石炭をたくさん積んだ貨車が、所狭しと並んでいて、蒸気機関車が頻繁に入れ替え作業をしていたんだろう。やがて、時代は石炭から石油の時代へと変化していく。公害の元である蒸気機関車の吐き出すばい煙。国鉄の無煙化計画が推し進められ、石炭の需要が急激に減った。炭鉱は閉山、数千人居た炭鉱労働者は、職を求めこの町を去った。その労働者をあてに商売などをしていた人たちも大打撃を受け、徐々に減り続け、現在はわずかに5軒の民家があるだけの寂しい地区である。石炭と共に消えた尺別の町なのである。

 

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